「オープンソースの定義」解説

「オープンソースの定義」は、ソフトウェア開発コミュニティが「オープンソー ス」という言葉で示そうとする意味の本質を捉えていると私たちが考える具体的 な一連の基準、すなわちオープンソースなライセンスの下で配布されるソフトウェ アが、独立のピアレビューや継続的、発展的な改良または淘汰のために将来に渡っ て入手可能であり続け、またそのようなソフトウェアが、閉鎖的な製品には不可 能なレベルの信頼性と能力に到達することを保証する尺度を示すことを意図して 書かれています。

ソフトウェアの進化の過程を動作させるには、人々がソフトウェアの遺伝子プー ルに寄与することをやめさせてしまうような近視眼的誘因に反論しなければなり ません。これは、ライセンスの条項によって人々がソフトウェアをごく少数の人々 しか見たり変更したりできないところへ閉じ込めてしまうことを防がなければな らないということを意味します。

ソフトウェア開発者が自分のソフトウェアを OSI が承認したソフトウェアライ センスの下で配布するならば、彼らは「OSI 認定」マークをそのソフトウェアに 適用することができます。この認定マークはユーザに対し、そのソフトウェアの ライセンスが「オープンソースの定義」の趣旨に合致していることを知らせます。 認定マークと申請手順についてのより詳しい情報は ここから 入手できます。

1. 再配布の自由

ライセンスが自由な再配布を要求するよう強制することで、私たちは、長期的な 利益の多くをいくばくかの短期的な販売収益を得るために投げ捨ててしまうとい う衝動を除去することができます。これを強制しないと、協力者たちを変節の誘 惑にさらしてひどく苦悩させることになってしまうでしょう。

2. ソースコード

私たちは、意図的に分かりにくくされていないソースコードが入手できることを 要求します。プログラムを変更することなしにはプログラムを発展させることは できないからです。私たちの目的はソフトウェアの発展をより容易なものにする ことですから、変更が簡単に行えることを必要条件に加えています。

3. 派生ソフトウェア

単にソースを読むことができるだけでは独立のピアレビューや急速な発展的淘汰 を支えるのに十分ではありません。急速な進化を現実のものとするためには、人々 がそのソフトウェアでさまざまに実験し、変更点を再配布することができる必要 があります。

4. 作者のソースコードの完全性

多くの改良を奨励することは良いことですが、ユーザには彼らが使っているソフ トウェアについて誰が責任を持っているのか知る権利があります。反対に、ソフ トウェアの作者と管理者にも彼らの名声を支え保護するために何を要求されてい るのか知る権利があります。

それゆえ、オープンソースなライセンスはそのソースが容易に入手可能であるこ とを保証しなければならないのですが、一方でそれがいっさい変更さ れていない本来の基本ソースとパッチという形で配布することを義務付けても 構わないということにします。こうすれば、「非公式」な変更点は利 用可能でありつつも、基本ソースとは簡単に見分けがつくわけです。

5. 個人やグループに対する差別の禁止

進化の過程から最大の恩恵を引き出すためには、可能な限り多種多様な人々やグ ループに、平等にオープンソースに貢献する資格を与えられている必要がありま す。そこで、私たちはオープンソースなライセンスが誰かを進化の過程から締め 出すことを禁止しています。

アメリカ合衆国を含むいくつかの国では、ある種のソフトウェアに輸出制限を課 しています。OSD 準拠のライセンスは、適用される可能性がある制限についてラ イセンス受諾者に警告し、また彼らには法に従う義務があることを示唆しても構 いません。しかし、ライセンス自身にそのような制限が含まれてはなりません。

6. 使用する分野に対する差別の禁止

この条項の主な意図は、オープンソースが商業的に使われることを妨げるような ライセンス上の策略を禁止することです。私たちは、営利的なユーザも私たちの コミュニティに加入してくれることを望んでおり、彼らがそこから排除されてい るような気分になっては欲しくないのです。

7. ライセンスの分散

この条項の目的は、ソフトウェアを、非開示契約への同意を要求するなどの間接 的な手段によって囲い込むことの禁止です。

8. 特定製品でのみ有効なライセンスの禁止

この条項は典型的なライセンス上の策略のもう一つのタイプを禁止します。

9. 他のソフトウェアに干渉するライセンスの禁止

オープンソースなソフトウェアの配布者には、彼ら自身のソフトウェアについて は彼ら自身で選択する権利があります。

もちろん GPL はこの必要条件を満たしています。GPL が適用されたライブラリ は、実行時にそれと能動的にリンクされるソフトウェアにのみ「干渉」するので あって、単に一緒に配布されるというだけならば他のソフトウェアには影響しま せん。

正確を期して翻訳しましたが、誤訳や不備も多々あると思われます。あくまでも 原文が正式な もので、この訳は参考程度であることに留意してご利用下さい。この訳のために 被った損害に関して、訳者はいかなる責任も負いません