OSDN株式会社(本社: 東京都渋谷区恵比寿1-19-19、代表取締役社長: 佐渡秀治、以下OSDN)は本日、日本最大のオープンソース・ソフトウェアの開発サイトであるSourceForge.JPにおいて、各登録オープンソース・プロジェクトに提供されるバグおよび課題追跡システムをチケット型に刷新し、ベータ公開しました。
SourceForge.JPにおいては、バグ報告やサポート要求等を登録、管理するためのツールとしての追跡(トラッキング)システムを全登録プロジェクトに対して提供してきましたが、2002年の提供開始以来、機能的には拡張しておらず、バグ追跡システムとしては最低限のタスクをこなすものでした。今回において、ベータ公開した新システムは、この数年で国内で人気となったオープンソースのプロジェクト管理ツールであるTracのチケット型システムの仕組みとユーザーインターフェースを取入れつつ、現在のシステムからのデータ互換を同時に実現するものです。
従来のシステムに対して、新しいバグおよび課題追跡システムの大きな変更点は下記の通りです。
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- Tracライクなユーザーインターフェース
- Tracのチケットシステムとほぼ同等のユーザーインターフェースを持つシステムに変更されました。これに伴い、項目の検索がOR/NOT指定も可能になった他、本文、サマリ、コメント別の柔軟な検索が可能になりました。
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- マイルストーン機能の追加
- 開発工程等の区切りにおいて締切を設定し、それに対して各チケットを結び付けるマイルストーン機能が追加されました。Tracにおける機能と同様に各工程において登録チケットの進捗状況がグラフ表示されます。
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- ユーザ個別のカスタムクエリによるデフォルト表示設定
- 各ユーザが任意のカスタムクエリをデフォルト設定として各プロジェクトに登録できます。SourceForge.JPでは、プロジェクトの開発者とユーザでは登録チケットへの最初の視点が異なると考えられるため、ユーザ毎にデフォルトで表示されるチケットを変更させるために実装されています。
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- ファイルリリース機能との連携
- ファイルリリース機能におけるパッケージ名、リリース名の情報がチケットのコンポーネントの情報として自動的に取り込ませることが可能になりました。これにより、例えば最新の開発版や安定版といった、特定のバージョンのソフトウェア・リリースに結び付いた開発工程やバグ等を管理することができます。
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- 一括変更
- 条件に合致したチケットの各項目をまとめて一括変更する機能を追加しました。
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- 日英二ヵ国後対応
- SourceForge.JPの他の機能と同様に、日英の二ヵ国後に対応しました。
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- Wikiフォーマット
- 全てのサマリとコメントの入力が、SourceForge.JPのWikiフォーマットに統一されました。
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- RSSによる配信
- チケット毎およびユーザが検索した条件におけるチケットリストのRSSが配信されます。
今回のベータ公開では、プロジェクト設定画面から利用サービスの設定を変更するだけで、既存の全プロジェクトが既存のシステムからデータを引き継いだまま移行することが可能になっています。また、移行後も既存システムに戻ることも可能になっています。今後、さらに新システムの改善および改修を進めつつ、少なくとも数ヶ月の移行期間を設定して、新システムへの移行を進めていく計画となっております。
既存のバグおよび課題追跡システムは、SourceForge.JPの各プロジェクトが外部より意見を吸い上げる仕組みとしては機能していましたが、OSDNでは、この新システムにより、プロジェクトにおける開発を強力に推進するためのプロジェクト管理ツールとしても使用されることを期待しています。
■ SourceForge.JPでの新バグおよび課題追跡システム使用例
下記URLは、SourceForge.JPのサポート用プロジェクトにおける新システムの使用例を示したものです。キャプチャはご自由にお願いいたします。
チケット一覧表示例(機能リクエストかつオープンなチケットの検索結果):
http://sourceforge.jp/projects/sourceforge/ticket/?status=1&type=115
チケット詳細表示例:
http://sourceforge.jp/ticket/browse.php?group_id=1&tid=14123
マイルストーン一覧表示例:
http://sourceforge.jp/ticket/milestonelist.php?group_id=1
■ SourceForge.JPについて
SourceForge.JPは、オープンソース・ソフトウェアの開発者にGit/SVN/CVSリポジトリ、メーリングリスト、バグ追跡システム、掲示板・フォーラム、タスク管理システム、Webサイトホスティング、ファイルの保管、完全なバックアップ、シェル環境、コンパイル・ファーム、そしてそれらをWebベースで総合的かつ容易な管理を行う環境を提供する無料のサービスです。また、オープンソース関連の最新ニュース、著名人による解説記事、コラムの提供も行っています。SourceForge.JPは、2002年4月19日に運営が開始され、現在は3,400を超える開発プロジェクトと30,000名を超える開発者が登録されています。 URL:http://sourceforge.jp/
■ OSDN株式会社について
OSDN株式会社は、OSDN(Open Source Development Network)と総称するオープンソース・ソフトウェアの開発と革新のための最先端のニュースと情報交換、共同作業の促進、そして成果物の配布を行うためのコミュニティから構成されるオンラインメディア ネットワークを運営しています。OSDNを構成するコミュニティサイトは、Slashdot Japan、SourceForge.JPであり、毎月2000万PV以上を記録する日本最大のオープンソース関連ネットワークとなっています。 OSDNに関する情報は http://osdn.co.jp/ にあります。
■ 本件に関するお問合せ先
OSDN株式会社
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-19-19恵比寿ビジネスタワー13F
担当:立田
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E-mail: mktg@osdn.jp
URL: http://osdn.co.jp/